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コラム

遺言がおかしいと感じたら?無効を主張できるケースと争い方を解説

遺言書を開いた瞬間、「生前に聞いていた話とまったく違う」「特定の相続人だけが極端に優遇されている」「本当に本人が書いたのだろうか」――そんな違和感を覚える方は少なくありません。遺言がおかしいと感じる背景には、内容の不自然さだけでなく、筆跡の相違、作成時期への疑問、認知症などによる遺言能力の問題が隠れていることもあります。
実は、遺言は必ずしも絶対的なものではなく、一定の条件を満たさない場合には無効を主張できるケースがあります。本記事では、遺言のどのような点が問題となり得るのか、無効が認められる代表的なパターンを整理したうえで、実際に遺言の有効性をどのように争っていくのかについて、相続トラブルの実務に即して分かりやすく解説します。遺言の内容に納得できず悩んでいる方が、次に取るべき行動を判断するための指針として、ぜひ参考にしてください。

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遺言が何だかおかしい!?

「以前聞いた遺言者の意向とぜんぜん違う」 「内容が偏っている」

「筆跡がおかしい」 「遺言を書けるはずがない時期に作成されている」

このような場合、遺言が無効であることを訴訟で争う事が考えられますが、無効の争い方は、遺言のどのような点に疑念があるかで変わってきます。

無効の原因となる事情は?

遺言の形式要件を満たしていない場合

例えば、自筆証書遺言の場合、遺言者が、遺言書の全文、日付、署名を自署した上で押印をしなければなりません。

例えば、ワープロソフトで本文を作成して署名・押印をしたというような場合、遺言は無効です(なお、法改正で、遺産の目録はワープロソフトなどで作成しても良いことになりましたが、その場合でも、作成した目録の全部のページに署名が必要です)。

偽造・捏造された可能性がある場合

自筆証書遺言を他人が作成したような場合はもちろん無効です。もっとも、そのような場合、本人が自署・作成したものではないことが明らかにされなければなりません。

遺言者の生前の筆跡や、遺言作成時点における状況(字が書けなかった、印鑑が本人が所持していないものだった)などをもとに争っていくことになります。

遺言を作成する能力がなかった可能性がある場合

また、遺言を巡って争いが生じやすいのが、死の間際に作成されたとか、認知症がひどくなった状況で作成されたというような場合です。

法律上、遺言を作成する人は、遺言作成時に遺言能力を有している必要があるとされています。大雑把に言うと、遺言の内容を正常に理解する能力が求められています。

したがって、例えば、認知症が進行していて、物事がよくわからなくなっている状態で作成された遺言は、無効とされる可能性があるわけです。

ただ、遺言能力は、認知症であれば直ちに認められないというものではなく、遺言時における遺言者の精神障害等の存否、内容及び程度であるとか、作成された遺言の内容それ自体の複雑性であるとか、遺言の作成された動機・理由・遺言者と遺言により遺産をもらう人との関係、遺言に至る経緯等を考慮して判断されます。

それらの事情を明らかにするためには、遺言者が遺言を残した当時の医療記録であるとか介護認定の判断資料などが参考にされることが多く、それらの資料の取得を適切に行うことが重要です。

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公正証書遺言であれば無効にならない?

なお、公正証書であれば、遺言は無効にならないと思われている方もいるかも知れませんが、それは誤りです。

確かに、公正証書遺言は、公証人が遺言者の状態を踏まえつつ作成されたものですので、遺言作成時の遺言者の状況については一応の確認はされていると考えられますが、公証人は、遺言者の遺言作成前後の状況や作成経緯などを完全に把握して作成を行ったということはほとんどないでしょうから、裁判所が、事後的に、諸々の事情をすべて考慮した上で、無効の判断を下すことは十分にありえます。

遺言の有効性の争いのあとはどうなる?

遺言の有効性自体についての訴訟が終了したとしても、紛争がそこで終わるとは限りません。

仮に、遺言が有効であるとされた場合でも、相続人には遺留分がありますので、遺言が有効であっても遺留分侵害額請求を行うということも考えられます。

(ただし、その場合、あらかじめ遺言が有効であると判断される場合に備えて、遺留分侵害額請求権の行使をしておかないと、権利を失ってしまうこともありますので注意が必要です。)

遺言の有効・無効を争うことができるのかについては、高度な専門的判断が伴いますので、手続が可能かどうかについては、弁護士にご相談ください。

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