相続をきっかけに共有名義となった不動産が売れない――
このような悩みを抱えて、当事務所にご相談に来られる方は少なくありません。
「自分は売却したいのに、共有者が反対して話が進まない」
「連絡すら取れず、何年も放置している」
「固定資産税や管理費だけを払い続けている」
実は、共有不動産が売れない原因の多くは「共有者の非協力」にあります。
共有不動産は、原則として共有者全員の同意がなければ売却できません。そのため、たった一人でも反対したり、話し合いに応じなかったりすると、売却は完全にストップしてしまうのです。
しかし、「共有者が非協力的だから売れない」と諦める必要はありません。
弁護士が介入することで、法的手続を背景にした交渉が可能となり、実際に売却へ進められるケースは数多くあります。
この記事では、
- なぜ共有不動産は売れなくなりやすいのか
- 非協力的な共有者がいる場合に取れる法的手段
- 弁護士がどのように売却を実現へ導くのか
について、相続・共有不動産問題に精通した弁護士の視点から、わかりやすく解説します。
「このまま放置していていいのか」「どう動けばいいのかわからない」と感じている方は、ぜひ最後までお読みください。
共有不動産が売れない理由の多くは「共有者の非協力」
共有名義の不動産が思うように売れないとき、その原因をたどっていくと、ほとんどの場合「共有者の非協力」という壁に突き当たります。
不動産会社に相談しても、「共有者全員の同意が必要ですね」と言われて話が止まってしまった、という経験がある方も多いのではないでしょうか。
共有者全員の同意がなければ売却できない
民法では、共有不動産を売却するには原則として共有者全員の同意が必要とされています。
これは、持分の大小にかかわらず同じです。たとえ自分が大半の持分を持っていたとしても、他の共有者が反対すれば、その時点で売却は進みません。
問題なのは、反対の意思をはっきり示される場合だけではありません。
連絡に応じない、話し合いを先延ばしにする、といった態度でも、結果として売却手続きは完全にストップしてしまいます。
「そのうち何とかなるだろう」と放置しているうちに、時間だけが過ぎてしまうケースも少なくありません。
よくある「非協力的な共有者」のパターン
非協力的な共有者と一口に言っても、その態度や理由はさまざまです。実際のご相談でも、次のようなケースが多く見られます。
まず多いのが、連絡が取れない、あるいは話し合い自体を拒否するケースです。電話に出ない、書面を送っても返事がないなど、売却の話題になると距離を置かれてしまいます。
次に、感情的な理由で反対しているケースです。相続をめぐる不満や家族間の確執が解消されておらず、「売る・売らない」の問題以前に感情がこじれてしまっていることがあります。
また、明らかに現実離れした高額な条件を突きつけてくる共有者もいます。「この金額でなければ同意しない」と言われ、交渉が進まなくなる典型例です。
さらに深刻なのが、共有不動産に無償で住み続けている共有者がいるケースです。占有している側は現状に不満がないため、売却に消極的になりがちで、話し合いが平行線になることが少なくありません。
このように、共有者の非協力は珍しい問題ではなく、誰にでも起こり得る現実的なトラブルなのです。
共有者同士の話し合いでは解決が難しい理由
「まずは話し合って解決しよう」
そう考えるのは、ごく自然なことです。実際、多くの方が弁護士に相談する前に、共有者同士で何とか折り合いをつけようと試みています。
しかし、現実には、当事者だけでの話し合いがうまくいかず、問題が長期化してしまうケースが後を絶ちません。
当事者同士だと感情対立が激化しやすい
共有不動産の問題は、ほとんどの場合「相続」が背景にあります。
相続が絡むと、単なる不動産の処分の話では済まず、過去の不満や家族間の感情が一気に表に出てきます。
「自分だけ損をしている気がする」
「昔から不公平だった」
こうした思いが積み重なり、話し合いの場が感情論になってしまうと、冷静な交渉は難しくなります。
その結果、売却の話は先送りされ、気づけば何年も同じ状態が続いてしまう――これは決して珍しいことではありません。
法的知識がないと主導権を握れない
もう一つ大きな問題は、法的な知識がないまま話し合いをしていることです。
非協力的な共有者から「共有者が一人でも反対したら売れないんだから無理だよ」と言われ、その言葉をそのまま信じてしまう方も多くいらっしゃいます。
確かに、全員の同意が原則であることは事実です。
しかし、それで話が終わるわけではありません。共有物分割請求など、法律上認められた手段は存在します。
それを知らないまま話し合いを続けていると、「どうせ売れない」と思い込まされ、結局は何も進まないまま時間だけが過ぎてしまいます。
結果的に、不動産を活用する機会を失い、負担だけを抱え続けることになってしまうのです。
非協力的な共有者がいても売却を進める「法的手段」とは
共有者の中に話し合いに応じない人がいると、「もう手詰まりではないか」と感じてしまうかもしれません。
しかし実際には、共有不動産の売却を前に進めるための法的な手段は用意されています。ポイントは、それをどう使うかです。
弁護士が介入することで交渉力が変わる
弁護士が関与すると、まず変わるのが交渉の空気です。
弁護士名義で通知や連絡が入るだけで、「これまでのように無視すれば済む話ではない」と受け取る共有者は少なくありません。
さらに重要なのは、単なるお願いや感情論ではなく、法的手続きを見据えた交渉ができるようになる点です。
「応じてもらえなければ次はこうなる」という選択肢を、法律に基づいて示せるため、話し合いの現実味が一段と増します。
結果として、これまで動かなかった共有者が、ようやくテーブルについてくるケースも多く見られます。
共有物分割請求という強力な法的手段
どうしても協議がまとまらない場合、最終的には共有物分割請求という手続を利用することができます。
これは、裁判所を通じて共有状態を解消するための制度です。
分割の方法にはいくつか種類があります。
不動産を物理的に分ける「現物分割」、一方が他方に代償金を支払う「代償分割」、そして不動産を売却して代金を分ける「換価分割(競売)」です。
特に重要なのは、最終的には売却という結論に至る可能性があるという点です。
この現実を共有者に示すことで、「競売になるくらいなら、任意で売却した方がいい」という判断につながることも少なくありません。
裁判を起こすこと自体が目的ではありません。
法的手段があることを前提に交渉することで、結果的に円満な売却へ進める――それが、弁護士が介入する大きな意味なのです。
弁護士が関与することで「任意売却」で解決できるケースも多い
共有不動産の問題というと、「最終的には裁判になるのでは」と不安に感じる方が多いかもしれません。
しかし、実際の現場では、弁護士が関与したことで裁判に至らず、任意売却で解決するケースも少なくありません。
裁判を避けたい共有者は多いです。
多くの共有者が気にしているのは、競売になった場合のデメリットです。
競売では、市場価格よりも大きく下がった金額で売却されることが一般的ですし、手続にも相応の時間がかかります。
「そこまでして争いたくない」
「できれば穏便に終わらせたい」
そう考えている共有者は、実は少なくありません。
弁護士が間に入ることで、競売になった場合の現実を踏まえつつ、どこで折り合いをつけるべきか、現実的な妥協点を提示することが可能になります。
結果的に高く・早く売却できる可能性
任意売却が成立すれば、不動産は通常の市場で売りに出すことができます。
そのため、競売と比べて市場価格に近い金額での売却が期待できますし、手続も比較的スムーズに進みます。
結果として、
- できるだけ高く売りたい人
- 早く共有状態を解消したい人
- これ以上トラブルを長引かせたくない人
それぞれの思いをくみ取った、共有者全員にとって納得感のある解決につながることも多いのです。
弁護士の役割は、争いを大きくすることではありません。
現実的な出口を示し、最も負担の少ない形で問題を終わらせる――そのためのサポートだと言えるでしょう。
共有不動産問題を弁護士に相談すべきタイミング

「もう少し様子を見よう」
そう考えているうちに、共有不動産の問題はいつの間にか長期化してしまいがちです。実際、相談に来られる方の多くが、「もっと早く動けばよかった」と口にされます。
たとえば、共有者が話し合いに応じず、連絡すらまともに取れない状態が続いている場合。
こちらが歩み寄ろうとしても反応がなければ、当事者同士で解決するのは簡単ではありません。
また、売却の話題を出すたびに感情的な対立になってしまうケースも要注意です。
話をしようとするたびに関係が悪化していくようであれば、第三者の関与を検討すべき段階に来ていると言えます。
さらに多いのが、「気づけば何年も放置してしまっている」という状況です。
固定資産税や管理の負担だけが続き、不動産自体は活用できていない――この状態が続くほど、精神的なストレスも大きくなります。
相続からすでに時間が経っているのに、共有状態が解消できていない場合も同様です。
時間が経つほど、共有者それぞれの事情が変わり、話をまとめるのは難しくなっていきます。
こうした状況に一つでも心当たりがあるなら、それは弁護士に相談する十分なタイミングです。
問題をこじらせないためにも、早い段階で専門家の視点を入れることが、結果的に最短ルートになることは少なくありません。
まとめ~丸の内ソレイユ法律事務所にご相談ください~

共有不動産がなかなか売れない背景には、多くの場合「共有者の非協力」という問題があります。
自分一人が動こうとしても、相手が話し合いに応じなければ、状況は簡単には変わりません。
ただ、そこで立ち止まってしまう必要はありません。
弁護士が介入することで、これまで動かなかった話が進み出すことは珍しくなく、法的な選択肢を踏まえた交渉によって、現実的な解決への道が開けることもあります。
共有不動産の問題は、時間が経つほど複雑になりがちです。
放置している間にも、固定資産税や管理の負担は続き、共有者それぞれの事情も変わっていきます。だからこそ、できるだけ早い段階で専門家に相談することが重要です。
もし今、
「このままでいいのだろうか」
「自分だけでは限界かもしれない」
と感じているのであれば、一度、丸の内ソレイユ法律事務所にご相談ください。
状況を丁寧に整理したうえで、無理のない解決方法をご提案いたします。
弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所の初回のご相談は無料ですので、悩みを抱え込まず、まずはお気軽にお問い合わせください。
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