遺産分割調停

遺産分割調停とは

被相続人が死亡し、相続が開始された場合、被相続人が亡くなった時に持っていた財産(遺産)について、それぞれの財産が相続人のうち誰のものなのか確定させる必要があります。この手続きを遺産分割といいますが、もちろん相続人の間で話し合いがまとまれば問題はありません。

しかしながら遺産分割について、共同相続人(法定相続人となっている人)の間で協議が調わない場合や、そもそも協議をすることができない場合もあります。

そのような場合には、各共同相続人は家庭裁判所に遺産の分割を請求することができます(民法907条2項)。この調停は,相続人のうちの1人もしくは何人かが他の相続人全員を相手方として申し立てるものです。

調停手続では,当事者双方から事情を聴いたり,資料等を提出したり,遺産について鑑定を行うなどして事情をよく把握したうえで,各当事者がそれぞれどのような分割方法を希望しているか意向を聴取し,解決案を提示したり,解決のために必要な助言をし,合意を目指し話合いが進められます。

遺産分割調停の流れ

・遺産分割調停の流れ

遺産分割調停では、誰が(①相続人の範囲の確定)、何を(②遺産の範囲③遺産の評価)、どのような割合で(④特別受益や寄与分等で修正して算出した具体的な相続分)、どのように分けるか(⑤遺産の具体的な分割方法)を順番に決めていくことになります。

この流れについては、当ホームページの「遺産分割の方法と流れ」でご説明しておりますので、ご覧下さい。

・遺産分割調停のメリットとデメリット

遺産分割調停の最大のメリットは、第三者(調停委員)の立会いの下、当事者同士が顔を合わせることなく話し合いができることにあります。さらに、合意に至った場合には、調停調書が作成されますが、調停調書には確定判決と同一の効力がありますから、後になって紛争が蒸し返される心配もありません。

デメリットとしては、必ずしも調停が成立するとは限らないこと、調停期日が開かれる頻度は多くて月に1回程度であることから、解決までにそれなりに時間がかかることがあげられます。

もっとも、調停が調わない場合には、裁判官が一切の事情を考慮して、審判を行いますので、解決しないまま終わるということはありません。デメリットを上回るメリットがあると言えるでしょう。

・遺産分割調停は弁護士なしでもできる?

遺産分割調停は、第三者である調停委員が間に入って話を進めてくれますから、弁護士を代理人にしなくても、当事者のみで行うことはもちろん可能です。

しかしながら、遺産分割の問題は、調停申立に至るまでに、当事者間で話し合いができないほど感情的な対立が深まっていることが多いですから、当事者のみで調停をしようとしても、感情的な主張が全面に出てしまい、遺産分割のために必要な法的な主張が疎かになりがちです。そのような場合にも、代理人として弁護士が手続きに参加することで話し合いがスムーズに行われるようになります。

また、被相続人の財産調査や遺産の評価方法、具体的な分割方法の検討など専門的な知識が必要になる場面が多くなりますので、手続きを弁護士に依頼することをお勧めします。

丸の内ソレイユ法律事務所では、遺産分割調停の経験豊富な弁護士が、依頼者の方の手続きをサポートいたしますので、遺産分割協議のお悩みの方は是非一度ご相談ください。

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