Resolution Results解決実績

父から譲り受けた保険契約が特別受益に認められた事例

相談内容、事件の背景

被相続人は父、法定相続人は母、兄、弟の3人。依頼者は弟。なお、母には成年後見人が就任していた。最大の争点は、特別受益の有無。依頼者は兄が被相続人から保険契約者たる地位の移転を受けたことについて兄の特別受益であると主張しており、他方で兄は弟が大学に進学して授業料等(兄は大学に進学していない)を負担してもらったことを依頼者の特別受益であると主張していた。

依頼者

被相続人:父、相続人:母・兄、依頼者:弟

事務所が行ったこと

兄の特別受益に関し、特別受益の額(保険の解約返戻金相当額)や同金額が特別受益と評価されること等を主張した。また、依頼者の大学進学に関しては、被相続人夫婦が裕福であったこと(扶養の範囲内)、当時の大学進学率は40%程度に上がっていたこと(一般的なこと)、兄が旧電電公社に縁故入社していること(一流の企業に入社しており、不公平はないこと)等を主張した。調停委員会から、兄の保険契約者たる地位の移転は特別受益と評価されるのに対し、依頼者の大学の授業料等は特別受益と評価されない旨の調停委員会案が出た。そして、最終的には調停に代わる決定が出て、同決定が確定した。

結果

兄の特別受益約1000万円が認められ、依頼者の特別受益は認められないという有利な結果となった。

解決に至ったポイント、留意点等

特別受益に関する主張の仕方。特に、特別受益に関しては兄弟の不公平等も斟酌するので、本件では、弟だけで大学に進学したことで兄に不公平なことはなかった(兄は、旧電電公社に縁故入社している。)旨主張した点。

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