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兄弟姉妹に、遺留分は認められないの?

遺留分とは、一定の相続人に保証されている最低限の相続分です。亡くなった方(被相続人)は、自分の財産の活用方法を遺言により自由に定めることができますが、被相続人の遺族の生活保障のために一定の制約があります。これが遺留分の制度です。

遺留分は、被相続人の配偶者、直系卑属(子または孫)、直系尊属(父母、祖父母)に認められ、兄弟姉妹には認められません(民法1042条)。配偶者、子、親には遺留分が認められているのに、兄弟姉妹にはなぜ認められていないのか、その理由は3つあると考えられています。

 

「兄弟姉妹の遺留分が認められない」3つの理由

一番大きな理由と言われているのは、兄弟姉妹は被相続人との関係が遠いからです。法律上、相続の順位は、第1順位が直系卑属(子または孫)、第2順位が直系尊属(父母または祖父母)、第3順位が兄弟姉妹です(民法886条~895条)。つまり、兄弟姉妹が相続人となるのは、被相続人に子も親もいないときであり、しかも、法定相続分は被相続人に配偶者がいる場合は4分の1しかありません。

 

2つ目の理由は、兄弟姉妹には代襲相続があるからです(民法889条)。代襲相続とは、相続人になるはずだった兄弟姉妹が被相続人よりも早く亡くなっていた場合に、その子(被相続人からみると甥や姪)が相続人になることです。被相続人がせっかく書いた遺言が、縁遠い甥や姪に遺留分を主張されて覆されてしまったら、被相続人の意思が尊重されなくなり、不当ということです。

 

そして3つ目の理由は、兄弟姉妹は相続分が保証されなくても生活に困らないと考えられるからです。配偶者、子、親は、被相続人と一緒に暮らしている場合も多く、被相続人が亡くなると経済的に影響を受ける可能性が高いと考えられます。しかし、被相続人とその兄弟姉妹は生活が別になっている場合が多いことから、相続分がなくても生活に困る場合は少ないと考えられます。もっとも、兄弟姉妹が一緒に暮らしていたり、被相続人に経済的援助を受けていたりする場合は、被相続人が亡くなることで生活に困ることがあるかもしれません。このような場合は、被相続人が兄弟姉妹に財産を残せるよう、遺言を書いたり、生前贈与をしたり、亡くなる前に対策をとっておくことが必要です。

以上のように兄弟姉妹には遺留分は認められません。

ですから、兄弟姉妹の方に遺産を渡したい場合には遺言で指定しておくなどの対策が必要です。

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