相続不動産について、遺産分割の結論として「売却して分ける(換価分割)」を選ぶケースは少なくありません。また、代償金(買い取り資金)の捻出や、共有解消の出口として売却を検討する場合もあります。
もっとも、不動産を売却すると税金(譲渡所得)が問題になり得ます。さらに、売却に至るまでにも、名義・共有・居住者・境界・担保など実務面の調整が必要です。ここでは、相続不動産の売却に関するポイントについて、税務面の一般論も含めて整理します。
相続で不動産売却が選択肢になる場面
相続で不動産の売却が選択肢となるのは、次のようなケースです。
- 不動産を特定の相続人が取得することに抵抗がある(公平性を重視したい)
- 代償金を用意できず、代償分割が難しい
- 共有のままでは管理・意思決定が進まないため、共有解消をしたい
- 遠方で管理が難しい、空き家リスクを避けたい
- ローンや維持費の負担を整理したい
ただし、売却は「売れば終わり」ではなく、売却するための前提条件(名義、明渡し、担保、境界等)を整える必要があります。
(内部リンク想定:記事①遺産分割/記事③共有/記事⑤ローン/記事⑥居住者/記事④評価)
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売却の前に確認したい実務ポイント
(1)名義と権利関係(相続登記・共有)
売却手続は名義・権利関係が前提になります。相続登記が未了だったり、共有者間で合意が取れていなかったりすると、売却がスムーズに進まない場合があります。
(2)居住者がいるか(明渡し・引渡し条件)
相続人の一人が住んでいる場合、売却条件(明渡し時期、引渡し状態、残置物等)を決めないと、売却活動自体が進みにくくなることがあります。
(3)境界・測量・越境など
買主側の融資や契約条件に影響する場合があります。測量や境界確認が必要になるケースもあるため、早めに確認します。
(4)ローン・抵当権(担保)
抵当権があると、通常は抹消が必要となります。売却代金で完済するのか、別途資金が必要かなどの整理が重要です。
税金(譲渡所得)の基本(概要)
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出ると、税金が発生することがあります。譲渡所得は概ね「売った金額から、取得費や譲渡費用等を差し引いて算出する」という整理になります。
ただし、相続不動産の場合は、
- 取得時期が古く「取得費の資料がない」
- 被相続人が購入した経緯が複雑
- 建物が古く減価償却等が絡む
など、実務上の確認が必要なことがあります。
税務は個別事情で結論が変わり得ますので、売却を決める前に「資料が揃うか」「概算の税負担がどの程度になりそうか」を把握することが大切です。
取得費・譲渡費用(概要)
(1)取得費
取得費は、被相続人が不動産を取得したときの購入代金や関連費用等が問題となり得ます。資料が見つからない場合、扱いが難しくなることがあるため、早期に資料探索を始めることが有用です(売買契約書、領収書、登記関係書類など)。
(2)譲渡費用
仲介手数料、測量費、解体費等が関係する場合があります。何が譲渡費用に当たるかは個別に検討が必要です。
特例が関係することがある(概要)
一定の要件を満たす場合、税務上の特例が検討されることがあります。ただし、特例の適用可否は「事実関係の当てはめ」が重要で、誤解も起こりやすい分野です。
そのため、売却を進める際には、必要に応じて税理士等の専門家と連携して確認することが望ましい場合があります。
弁護士が関与できること/税理士連携が有用なこと

相続不動産の売却では、税務だけでなく、合意形成と売却に関する実務的な処理が大きな比重を占めます。
- 弁護士:相続人間の合意(売却方針、売却条件、明渡し、分配方法、費用負担等)の整理、交渉、必要手続の統括
- 税理士等:譲渡所得や特例等、税務判断・申告の検討
当事務所では、不動産業者や不動産鑑定士等との連携も含め、売却に向けた条件整理をサポートします。
FAQ
1.売却すれば、相続の問題は必ず解決しますか?
A. 売却は有力な選択肢ですが、明渡し、共有者の合意、費用負担、分配方法など調整事項があります。事前の整理が重要です。
2.税金が高くなりそうで不安です。
A. 税務は個別事情で変わり得ます。資料の有無や概算を把握したうえで、詳細を確認したい場合は、税理士にご相談ください。
弁護士へのご相談(初回無料相談)

売却を選ぶかどうかは、法的・実務的な条件整理が重要です。弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所では、初回無料(60分まで)の相談で、売却の可否・必要な段取り・合意形成のポイントなどについて整理・助言します。
- 電話(受付:平日9:00~20:00):03-5224-3801
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