要点
- 使途不明金の問題は、取引履歴を軸に「いつ・いくら・どんな取引か」を整理すると全体像が見えやすくなります。
- 領収書が不足していても、介護記録や施設費など周辺資料で整合性を検討できる場合があります。
- “完璧に揃える”より、現時点で不足している資料を洗い出し、集める順番を決めることが重要です。
まずは「口座資料」を最優先にする
使途不明金(説明がつかない出金)が疑われる場面では、最初に押さえるべき資料は口座関係です。口座資料がないと、議論が「印象」や「記憶」に引っ張られやすく、相続人間で認識が噛み合いにくくなることがあります。
最優先の資料・確認事項
- 通帳(可能なら記帳を最新にする)
- 取引履歴(入出金明細)
- キャッシュカード・暗証番号の管理状況(誰が保管していたか、いつからか)
特に「管理状況」は、本人が出金していたのか、家族が代わりに出金していたのか、といった評価に影響し得るため、事実として整理しておくことが大切です。
使途を裏付ける周辺資料(介護・生活・医療)
取引履歴だけでは、現金の使途は分かりにくい場合が多いです。そのため、次に「生活実態を示す資料」の有無・内容から、説明の整合性を検討していくことになります。
介護・施設関係
- 介護サービスの利用記録(ケアプラン、訪問介護の記録等)
- 施設の契約書、請求書、領収書
- オムツ代、介護用品などの購入記録(残っている範囲で)
医療・入院関係
- 病院の領収書、診療明細
- 入院費・差額ベッド代の請求書
- 薬局の領収書 など
生活費関係(同居・別居で集め方が変わり得る)
- 公共料金の支払状況(口座振替があれば履歴で追えることがあります)
- 家賃、管理費、固定資産税等の支払資料
- 家計簿やメモ(残っている範囲で) など
「領収書がない=直ちに説明不能」とは限らない一方で、資料が乏しいほど争点が広がりやすい傾向はあるため、残っている資料から順に整えていくのが現実的です。
整理のコツ:時系列表+「紐づけ」メモ
資料が集まり始めたら、次のような形で事実関係と資料の紐づけをしていくと、議論が整理されやすくなります。
- 取引履歴の大きな出金(例:10万円単位の引出し)
- その前後の出来事(入院、施設費の支払時期、介護用品購入等)
- それを裏付ける資料(請求書・領収書・記録)
この「紐づけ」ができると、相手方の説明の妥当性を検討しやすくなり、交渉での着地点も作りやすくなります。
チェックリスト
口座・金融資料
- 通帳(全口座分)
- 取引履歴(入出金明細)
- キャッシュカードの管理状況メモ(保管者・期間)
- 振込先が分かる資料(履歴に出る範囲)
介護・医療・生活資料
- 介護サービス利用記録、ケアプラン
- 施設の契約書/請求書/領収書
- 病院・薬局の領収書
- 家賃、管理費、税金等の支払資料
- 家計簿・メモ(あれば)
関係者・状況資料
- 同居・別居の状況(住民票、時期のメモ)
- 入院・施設入所の時期(分かる範囲で時系列)
- 相続人関係資料(戸籍等)
相談のタイミング

資料が揃わない段階でも、「何が不足していて」「どこが争点になりそうか」を整理するだけで、相手方への確認の仕方や手続選択の判断が明確になりやすくなります。
初回60分無料で、現状に応じた対応手段について、優先順位も含めて一緒に確認します(全国対応/オンライン相談可※要事前本人確認/電話受付:平日9:00~20:00)。



