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コラム

預金の取引履歴(入出金明細)の取り方|金融機関への請求手続

要点

  • 使途不明金の整理は、まず「いつ・いくら・どの方法で」出金されたかを取引履歴で客観的に把握するところから始めます。
  • 必要書類や取得できる範囲は金融機関や具体的事情によっても異なるため、早めに確認すると見通しが立てやすいです。
  • 取得後は時系列表を作り、「説明が必要な取引」を絞って相手方に確認するのが次の一手になります。

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取引履歴(入出金明細)で分かること/分かりにくいこと

相続の場面で「預金の使い込み」「使途不明金」が疑われるとき、通帳の残高だけを見ても、実際に何が起きていたかは分かりにくいことがあります。そこで役立つのが、金融機関の取引履歴(入出金明細)です。

一般に、取引履歴からは次のような情報を時系列で把握できます。

  • ATM引出し(日時、金額など)
  • 振込(日時、金額、振込先情報が分かる場合があります)
  • 口座振替(公共料金、施設費などの自動引落)
  • 口座間の資金移動(同一銀行内の移動等)

一方で、次の点は履歴だけでは分かりにくいことがあります。

  • 引き出した現金を「何に使ったか」(領収書等の裏付けが必要になります)
  • 振込の目的(介護費、生活費、立替費用の精算など事情が様々です)
  • 同居家族が代理で出金したのか、本人が出金したのか(カード管理状況等の周辺事情が関係します)

そのため、取引履歴は「疑いを決めつける材料」ではなく、説明が必要な取引を特定し、話し合いの土台を整える資料と位置付けられます。

取引履歴を取り寄せる前に確認したいこと(口座の特定・期間)

どの口座を対象にするか

被相続人名義の口座が複数ある場合、まずは口座の全体像を把握することが重要です。通帳・キャッシュカード・郵送物(銀行からの通知)などから、存在する金融機関を洗い出します。

口座が特定できない場合でも、分かっている銀行から順に確認していくことで、全体像が見えてくることがあります。

どの期間を取るか

使途不明金が問題になるのは「死亡直前の数か月」だけとは限りません。一方で、むやみに長期間を対象にすると資料の量が膨大になり、取得のための手数料もかさみます。争点がむやみに広がりやすくもなります。

そこで、一般論としては、次のような事情を踏まえつつ「まずは優先期間を決めて取得する」といったアプローチを取ることが考えられます。

  • 介護開始・施設入所・入院の時期
  • 通帳管理が本人から家族に移った時期
  • 認知機能の低下が疑われる時期
  • 特定の相続人と同居を始めた時期 など

最初は「疑問の大きい時期」を中心に取得し、必要に応じて期間を広げる、という段取りにすると整理しやすくなるといえます。

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金融機関への請求手続(一般的な流れ)

取引履歴の取得方法は金融機関ごとに運用が異なるため、事前に窓口や公式案内を確認することが大切です。以下はあくまで一般的なイメージです。

相続人であることを示す資料を準備する

一般に、相続人として照会・請求する場合、戸籍関係書類等の提示を求められることが通常です。必要書類はケースにより変わり得ますが、よく求められることがあるものとしては、次のような資料が挙げられます。

  • 被相続人の死亡の事実が分かる資料(戸籍等)
  • 相続人であることが分かる戸籍一式(相続関係を確認するため)
  • 請求者の本人確認資料
  • 口座情報(支店名、口座番号等) など

取得できる「範囲・形式」は金融機関で異なる

取引履歴は、時系列の明細表の形で交付されることが多いですが、その細かな形式は金融機関ごとに異なります。また、取得できる期間や、発行手数料の有無・金額も金融機関の運用に左右されます。

取得範囲が限定される場合は、まず手元にある資料で足りるか、追加で何が必要かを整理し、次の手を検討します。

相続手続の進み具合(遺言・遺産分割の状況)によっても対応が変わり得る

遺言の有無、遺言執行者の有無、遺産分割協議の状況などにより、照会の進め方が変わる場面があります。関係者間で役割分担がある場合は、誰がどの範囲を取得するかをあらかじめ調整しておくと混乱が少なくなります。

明細の読み方:まずは「分類」して争点を絞る

取引履歴を入手したら、いきなり「不自然だ」「おかしい」と評価するよりも、次のように機械的に分類する方が、争点が整理しやすくなります。

  • ①固定的な引落とし(施設費、保険料、公共料金など)
  • ②本人の生活に通常あり得る支出(医療費、日用品等の可能性)
  • ③説明が必要な大きな出金(高額ATM、頻繁な引出し)
  • ④第三者への振込(相手先・目的の確認が必要)
  • ⑤口座間移動(移動先口座の確認が必要)

この分類ができると、「説明が必要な取引」が具体化し、相手方へ確認するときも感情的な応酬になりにくい傾向があります。

取得後にやること:時系列表と「質問リスト」の作成

次のステップとして、取引履歴をベースに簡易な時系列表(Excel等)を作り、疑問点をリスト化すると問題点が整理しやすいです。

  • 日付
  • 金額
  • 取引の種類(引出し/振込等)
  • 相手先(分かる範囲)
  • メモ(確認したい点・関連資料) など

そのうえで、相手方には「横領だ」「使い込みだ」といった断定ではなく、特定の取引について“内訳と根拠資料”の提示を求める形で進めると、話し合いの土台が作りやすくなります。

よくある質問

Q. 通帳が手元にありません。取引履歴は取れますか?

A. 一般論として、口座を特定できれば、相続人であるという地位に基づいて、取引履歴の取得は可能ですが、必要書類や手続は金融機関の運用で変わり得ます。まずはどの金融機関に口座があったかを特定する作業が重要です。

Q. どの期間を取るのがよいですか?

A. 一般論として、介護開始・入院・施設入所など生活状況が変わった時期を起点に検討されることがあります。最初は疑問の大きい期間から始め、必要に応じて広げる方が整理しやすいことがあります。

相談のタイミング

取引履歴を取ったものの「どの取引が問題になりそうか」「何を追加で集めるべきか」が分からない場合、早めに整理しておくと交渉の見通しが立てやすくなることがあります。
当事務所では初回60分無料で、資料の揃い具合に応じた進め方を一緒に確認します(全国対応/オンライン相談可※要事前本人確認/電話受付:平日9:00~20:00)。

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