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相続放棄申述書の書き方-提出先や必要書類、手続きの流れ

相続放棄申述書とは

被相続人が多額の借金を抱えていた場合、相続人は、選択肢として相続放棄を考えることになります。相続放棄をするには、「相続放棄申述書」などの書類を準備して家庭裁判所に提出し、相続放棄の妥当性を主張します。相続放棄が認められれば、被相続人の借金返済義務を免れることができます。

相続放棄申述書の書き方

(1)入手方法

相続放棄申述書は、家庭裁判所の窓口で交付を受けたり、ホームページからダウンロードするなどして入手することができます。家庭裁判所のホームページには記載例も掲載されているので、参考にしましょう。

(2)それぞれの欄への記入

「申述先」欄には、提出先の家庭裁判所の名前を記入します。

「申述人」欄には、本籍・住所・電話番号・氏名・生年月日・職業・被相続人との関係などを記入します。氏名について略字は認められないので、正確に記入しましょう。

未成年者が相続放棄する場合は、「法定代理人等」の記入も必要です。親権者または後見人の住所・電話番号・氏名などを記入しましょう。

「被相続人」欄には、本籍・最後の住所・氏名・死亡日・死亡当時の職業などを記入します。本籍は戸籍謄本を、最後の住所は住民票の除票を、それぞれ確認して記入してください。

「申述の趣旨」欄は、予め印字されているので、何も記入する必要はありません。

「申述の理由」欄にある「相続の開始を知った日」とは、「自分が相続人になったことを知った日」を指しますが、基本的には「被相続人の死亡日」になることが多いでしょう。

「放棄の理由」欄では、該当する項目に丸をつけます。該当するものがなければ「その他」を選択し、理由を簡潔に記入しましょう。

「相続財産の概略」欄には、被相続人の資産や負債などの内訳を記入します。不動産の坪数や預貯金の金額など、大まかなもので問題ありません。判明していない財産があれば、空欄にするか「不明」と記入します。

なお、相続放棄は、相続の開始を知った日から3か月以内に手続しなければならないため、正確な起算日を把握しておくことが大切です。もし期限を過ぎてしまった場合、対応が遅れた理由などを記載した「上申書」を添付することで、相続放棄認めてもらえることもあります。

ただし、期限内の申述が不可能であったことの正当性を証明しなければなりませんので、既に期限を過ぎてしまっている場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

(3)実印での押印は必要か

相続放棄申述書には押印が必要ですが、実印ではなく認印で構いません。今後の手続で同一の印鑑による押印を求められることもあるため、どの印鑑を使用したか覚えておきましょう。

相続放棄申述書の提出先

相続放棄申述書の提出先は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所です。提出方法は、裁判所の窓口に直接持ち込むのと郵送の2つの方法があります。裁判所の窓口に直接提出すれば、記入漏れや書き間違いなどがあればその場で指摘されるため、不安な場合は直接提出するとよいでしょう。

相続放棄には、相続放棄申述書のほか、被相続人の住民票除票または戸籍附票、申述人の戸籍謄本なども必要です。詳細は、裁判所のホームページや、裁判所に問い合わせて確認しましょう。

相続放棄申述書提出後の手続の流れ

相続放棄申述書を提出後、家庭裁判所で審理が開始されます。約1~2週間後、家庭裁判所から相続放棄の照会書・回答書が送付されてくるので、それに回答を記入して返送します。返送が遅れると、その分手続が完了するまでの日数も延びるため、なるべく早めに対応しましょう。もし書き方が分からなければ、弁護士に相談してください。

返送後、特に問題がなければ、相続放棄申述受理通知書が送付されます。相続放棄申述受理通知書とは、相続放棄を認められたもので、これを受領すれば相続放棄完了となります。相続放棄申述受理通知書は、申述人への通知用の書類のため、第三者に相続放棄したことを示すため、家庭裁判所で「相続放棄申述受理証明書」を取得しておいてもよいでしょう。

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