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遺産分割の調停を申し立てられました。どうすればいいですか?

ある日突然、遺産分割の調停を申し立てられたら、どうすればいいのでしょう。裁判所から書類が届く経験などは多くの皆様にとってなかなかないこと。混乱してしまうことでしょう。ここでは遺産分割手続きの流れと、調停を申し立てられたらどうすればいいのか、について説明します。

遺産分割の流れ

遺産分割の手続きは、①相続人の範囲を確定し、②遺産の範囲を確定し、③遺産の評価をし、④各相続人の取得額を決め、⑤遺産分割の方法を決めるという流れで進めます。

 

そして、遺産分割の前提となる事実に争いがある場合は、その点について訴訟を提起して解決を図る必要があります。具体的には、①相続人の範囲に争いがある場合は相続人の地位不存在確認訴訟、②遺産の範囲に争いがある場合は遺産確認訴訟、所有権確認訴訟、共有持分確認訴訟、不当利得返還請求訴訟などで問題解決を図ります。遺言の有効性に争いがある場合は、遺言無効確認訴訟を提起することになります。

 

前提事実に争いがない場合や、前提事実についての問題を解決した後、相続人間で遺産分割協議をしますが、協議がまとまらない場合や何らかの理由で協議ができない場合、相続人は、遺産分割調停や遺産分割審判を申し立てます(なお、「調停」ではなく、いきなり遺産分割「審判」を申し立てたとしても、裁判所の判断により調停手続に付されることが少なくありません。)。

遺産分割調停は、家庭裁判所において相続人同士の話し合いで遺産の分け方を決める手続きです。まずは調停で話し合いをし、合意に至らなかった場合に、裁判官が法律や判例に基づいて遺産の分け方を決定する審判に移行することが通常です。

遺産分割調停が申し立てられると

遺産分割の調停が申し立てられると、家庭裁判所から、申立てを受けた方(「相手方」といいます)に対し、申立書等の書類一式が郵送されてきます。裁判所から突然郵便物が届くと驚くと思いますが、遺産分割調停の申立ては裁判ではなく、話し合いの提案です。まずは落ち着いて、書面の内容を確認しましょう。

 

郵送された書類の中に、調停の初回期日を通知する書面があります。初回期日は、申立人と裁判所の都合で既に決められています。そのため、指定されている期日は、相手方において都合がつかないという場合があります。その場合は裁判所に連絡し、日程変更が可能か、初回期日は欠席とするのかを相談しましょう。

相手方が、都合がつかない等の理由で無断で期日を欠席したとしても、調停期日は実施されます。そうすると、期日に出席した当事者のみの主張をもとに話が進むことになり、相手方にとって不利な手続きが行われる可能性があります。どうしても出席できない場合は、裁判所に連絡して、調整を求めましょう。裁判所が遠方の場合や体調の問題などで出頭が難しい場合は、弁護士を代理人に選任しましょう。

次に、申立書や遺産目録の記載は、申立人の主張ですのでよく確認しましょう。そして、自身の認識と異なる点や希望を、指定された期限までに、書面で提出します。

調停期日には、遺産分割調停を申し立てた申立人を含め、相続人全員が出席しますが、申立人と相手方が交代で調停室に入って主張を伝えます。他方当事者が調停室で話をしているときは、控室で待機しますが、申立人と相手方は控室も別ですので、基本的に顔を合わせることはありません。このような期日を何度か行い、合意(調停の成立)を目指します。

遺産分割の手続きには適切なタイミングと主張が重要

遺産分割の各手続きにおいては、適切なタイミングで適切な主張をする必要があり、法的知識が要求されます。遺産分割手続きの詳しい流れを知り、見通しを検討するためにも、早めに弁護士に相談しましょう。

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