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家族信託と税金

家族信託に関するご相談の中でもっとも多いのが、「信託すると税金は誰が払うことになるのか」、「信託を使えば節税できるのか?」というものです。ここでは、信託に関する税制の基本的事項について説明します。

1 原則として受益者に課税される

民事信託の仕組みにおいて、財産の所有者は受託者です。

しかし、税務上は、所有権の名義ではなく、信託財産の実質的所有者が誰であるか(ないし信託財産から得られる経済的利益の帰属する者は誰か)という観点から、受益者に対し課税されます。受託者に対する課税は原則としてなされません。

2 具体的に課税される可能性のある税金

※ 以下に記載するものは概略的な説明ですので、実際の課税関係はケースごとに判断する必要があることにご留意ください。

⑴ 信託を設定した時点

ア 贈与税

信託財産の移転について、贈与税が課税されます。但し、委託者が受益者の地位を兼ねる形式(自益信託)の場合、財産が実質的に移転していませんので、贈与税は課税されません。

イ その他の税金

信託契約書1通あたり200円の印紙税がかかります。信託財産に不動産がある場合、信託登記について登録免許税がかかります。なお、不動産取得税はかかりません。

⑵ 信託期間中に発生する税金

ア 所得税

信託財産から生ずる所得について、受益者に所得税が課税されます。

イ 贈与税・相続税

受益権が移転する場合、その移転の原因・内容に応じて、贈与税・相続税が課税される場合があります。

ウ その他の税金

信託の変更や受益権譲渡の契約書について印紙税が発生します。受益者が変更した場合、信託の変更登記の登録免許税が不動産1個あたり1000円発生します。受託者の変更があった場合でも不動産取得税は発生しません。

⑶ 信託終了時点で発生する税金

ア 贈与税・相続税

残余財産の所有権が実質的に移転するか否かに応じて課税が生じます。具体的には、残余財産を信託終了時の受益者が引き継ぐ場合は、贈与税・相続税は発生しません。残余財産を信託終了時の受益者以外の者が引き継ぐ場合は、信託の終了原因が受益者の死亡によるか否かによって、引き継いだ者に対し、贈与税または相続税が課税されます。

イ その他の税金

残余財産が不動産の場合、不動産取得税や登記にかかる登録免許税が発生します。

3 税務上のメリットはあるのか

結論から言うと、家族信託の利用による相続税等の節税効果はほとんどないと考えていただいたほうがよいです。信託を利用する場合、信託財産の実質的移転を伴うこととなった時点で贈与税・相続税が発生することになりますが、どのような信託契約を行うかによって、信託の設定時点において多大な税金が発生することは回避可能です。

従って、家族信託のメリットは、相続税の発生時点をずらしつつ、財産の凍結防止や財産承継の柔軟な仕組みを作れるということ、それによって将来の紛争等の防止を図ることができるという点にあります。

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