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Inheritance & Trust

Columnコラム

遺留分侵害額請求における期限の許与

遺留分は一定の法定相続人に認められた正当な権利ですので、正当な遺留分侵害額請求をされたら拒むことはできません(なお、遺留分の請求がなければ、あなたがそのまま全部をもらって問題はありません。)。
ただちに支払って、問題を解決してしまいたいと考えていたとしても、例えば、不動産や不動産管理会社の株式をあなた一人が相続した場合、他の相続人から遺留分を請求されても、相続したものが換金が難しい不動産や株式などばかりで、それほど預貯金がないような場合は、ほかの相続人に遺留分に相当する金員を支払うことは難しいでしょう。
そこで、上記の例のような場合には、他の相続人に対して支払う遺留分に相当する金員の支払期限を先延ばししてもらうことを求めることができます。これを期限の許与の制度といいます。ただし、期限の許与を求めたとしても、支払い期限が必ずしも延長されるわけではありませんので注意が必要です。
まず、期限の許与を求めるにはどうすれば良いでしょうか。民法1047条5項は、「裁判所は、受遺者又は受贈者の請求により、第一項の規定により負担する債務の全部又は一部の支払につき相当の期限を許与することができる。」と定めています。つまり、期限の許与は、裁判所に対して訴訟を提起し、行使することが必要となります。

期限の許与が認められた場合の効果

期限の許与が認められた場合、遺留分侵害額請求の弁済期(支払日)が先延ばしとなります。「期限」という日程的な利益を得ることができ、本来であれば遅延に伴う損害金の支払い義務がなくなります。
一方、法律には「全部又は一部」(民法1047条5項)と定められているため、一部にのみ期限の許与が認められることがあります。例えば、遺留分に相当する額として、遺留分侵害額請求権者に対して、1000万円を支払わなければならない場合に、1000万円のうち300万円についてだけ期限の許与が認められるという場合もありえます。
今後、不動産を承継することになりそうで遺留分侵害額請求を受けるかもしれないと不安な方もいるかもしれません。実際に請求を受けた場合の対応の一つとして、期限の許与の請求を検討することも考えられるところです。

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