Marunouchi Soleil Law Office
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事業承継とは

1. 事業承継の必要性

日本は、いま、65歳以上の高齢者が全人口の3割近くになり、さらに85歳以上の人口
の4人に1人が認知症と言われる超高齢社会となっています。日本の企業全体の99.7パーセントを占める中小企業ですが、1999年から2015年までの15年間で100万社減少、ピークだったリーマン・ショック以降も減少傾向が続き、多くの企業が倒産・もしくは廃業を余儀なくされているのが現状です。このような状況のため、会社の事業承継は、極めて重大な問題となっていますが、いまだ具体的な対策を取られていない経営者の方々も多い状況です。おそらく、経営者ご自身がまだお元気で対策の必要性がイメージできておらず、ご自分の死を想起させるような問題に向き合いたくないと無意識に拒絶されている方がいらっしゃるせいもあるでしょう。経営者のご家族にとっても、そのような問題を積極的に考えてほしいとは言いづらいかもしれません。しかし、事業承継を円滑に行うには、それなりの時間や労力を必要としますので、問題に向き合うことが遅れれば、十分な対策が取れないということになりかねません。早めの対策が必要です。

2. 事業承継とは

「事業承継」といっても、この言葉に明確な定義があるわけではありません。「後継者確保」と捉えている人もいれば、「相続税の問題」と捉えている人もいるなど、人によって、また、その置かれている状況によって、「事業承継」という言葉から受け取る意味合いが異なっています。ですが、承継する「事業」とは何かという観点に立ち返ってみると、「事業」の構成要素は、概ね、1人(経営)・2資産・3知的資産(目に見えにくい経営資源・強み)の三つに分類することができます。これらの三つの要素は、まさしく経営者が事業を通じて培ってきたものですから、これらを可能な限り、信頼できる後継者ないし第三者に円滑に引き継いでいくということが重要です。

事業承継の構成要素

3. 誰に事業を承継するのか

事業承継の計画の方向性は、誰を後継者とする(したい)かによって分類できます。後継者を誰にするかという観点から事業承継を分類すると、次の3種に分けられます。
(1)親族内承継(現経営者の親族に承継させる)
(2)従業員承継(会社従業員に引き継ぐ)
(3)第三者承継(第三者に会社の経営権を譲渡する:M&A)
どの方向性を目指すにしても共通して対応しなければならない事項もありますし、また、それぞれに特有の問題点もあります。いずれにせよ、あらかじめ対応すべき事項を明確にし、ひとつひとつ対策を講じていく必要があります。

4. 事業承継の進め方

事業承継の進め方については、中小企業庁が公表している「事業承継ガイドライン」において、5つのステップに整理されています。もちろん、個々の会社によって、有している長所・短所、抱えている問題点、時間的猶予などが異なりますので、お手本通りに進められるとは限りませんが、まずは、この視点に沿った形で課題を把握し、事業承継の計画を策定・検討するのが有益です。

事業承継に向けた5ステップ

事業承継に向けたステップ

5. 事業承継の後は?

事業承継が完了し、経営者が交代したからといって、それですべて解決ということではありません。事業承継の後も、当然、事業は継続されていきます。親族内承継においては、特に、後継者において、従前の企業風土・経営理念などを引き継いでいくための努力を要しますし、それに加え、現在の会社が置かれている事業環境に対応した視点をもって、従来の事業の見直すべき部分を見直し、新たな成長を目指していくことが必要となります。事業承継後に、どのようにして経営を安定させ、また成長させていくか。そのための施策を継続していく必要があります。

6. 事業承継の対策はいつから開始すべき?

中小企業庁のガイドラインでは、経営者が大体60歳に達するころには、事業承継の準備に取り掛かるべきと言われています。しかし、現状では、60歳を超えても経営に携わっている経営者の方が多数であり、それどころか、引退を考えている経営者の方々の概ねの年齢は70歳前後であるとも言われています。後継者候補者を経営者として教育・育成し、経営資源を引き継いでいくのにもそれなりの時間がかかります。このような現状からすると、経営者の方が元気で「まだまだ大丈夫」と思っていらっしゃっても、事業承継に向けた準備には早急に着手すべきです。

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