はんこ代の相場って?

1.昔からよく言われるはんこ代って?

遺産分割などの話をしていると、たまに「はんこ代」という言葉を聞くことがあります。この「はんこ代」というのは一体何なのでしょうか?

 

まず、「はんこ代」というのは、当然ながら法律用語ではありません。そのため、正確な定義付けというのが難しいのですが、噛み砕いて言うと、「はんこ(実印)を押してもらうことに対する解決金」という意味です。このような解決金の概念が生まれた背景には、相続人全員から実印による捺印をもらえないと困る事情があるのです。

 

2.相続人のうちの誰かから、実印を押してもらえなかったら…?

前提として、とある相続が発生した場合、相続人が複数人いると、遺産分割協議を行うというのが一般的です。この遺産分割協議は、相続人全員で行わなければならず、一人でも欠けていると無効になります。そして、この遺産分割協議は、裁判所を使わずとも行うことができ、協議でまとまった内容は、協議書に落とし込むことになります。ここで、相続人のうち、一人でも遺産分割協議に参加しない人がいたり、遺産分割協議の内容に納得していない人がいたりすると、協議書に実印での捺印をしてもらうことができないこととなります。

協議書に実印での捺印をもらえない場合、つまりは有効な協議書が存在しないことを意味します。一般に、遺産の中に預金があれば、遺産分割協議の結果、預金を受け取ることとなった人は、そういった内容の記載されている遺産分割協議書を、銀行等の金融機関に提出します。ここで、金融機関は、相続人全員からの実印による捺印がなされていることを確認します。このとき、有効な協議書がなかったり、一人でも実印による捺印が欠けていたりすると、いつまで経っても被相続人の預金を解約し、払い戻しを受けることができなくなってしまいます。

こういった困った事態を切り抜けるために生まれたのが、いわゆる「はんこ代」の概念です。

 

3.「はんこ代」の相場は…?

上記のような場面で、そもそも実印を押さない人の考えは、2種類考えられます。

1つ目は、(協議内容には納得しているとしても、)自分がもらうものが少ないので、実印を押す(実印であることを示すために印鑑登録証明書も取得してもらうことになります)という手間が面倒だという考えです。

2つ目は、協議内容に納得していないから、押したくないという考えです。

1つ目の場合、手間賃的な趣旨になりますので、そこまで高額である必要はなかろうかと存じます。せいぜい数十万なのではないでしょうか。

一方2つ目の場合は、納得していない理由によって状況が異なるのでなんとも言えないものの、結局のところ自分がもらう金額が少ないから納得していないという場合には、同人が納得する程度の金額を支払う必要があります。このようになってまいりますと、いわゆる相場というものは存在せず、具体的事案に応じた検討を要します。

このように、「はんこ(実印)をもらえない」ことによる不都合を解消するために、解決金を支払うという発想は、時として事案の解決に有効です。もっとも、具体的にいくらを支払うべきかなどは、事案ごとの検討や、相手方との交渉も必要になりますので、一度弁護士に相談していただけたらと思います。

 

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