歴史的価値のある建造物の維持・承継に信託を利用した事例

Aさん姉妹はご高齢で、ご実家は歴史的価値のある建造物、風光明媚な庭園を備えたものでした。これらを自分たちの死後も維持・承継してほしいと希望、民事信託をご検討されました。

相談者

高齢の姉妹。両名とも現在は配偶者無し。

相談内容

Aさん姉妹は、ご両親から相続してきた投資用不動産からの賃料収入でこれまで生計を立てておいででした。今回相談の対象となったのは、現在2人が生活しているご実家の建物・敷地についてです。この建物は代々受け継がれてきた歴史的な価値のあるもので、風光明媚な庭園もあります。Aさん達には、ご自身たちが亡くなられた後も、建物や敷地内の庭を活用してほしいという希望がありました。

行った対応

まず、受託者として一般社団法人を設立し、社員として姉妹と税理士、Aさんが信頼をしているコンサルタントに就任してもらいました。その上で、実家の所有者である妹と一般社団法人との間で信託契約を結び、姉妹が存命中は受益者として実家に居住できるようにしながら、受託者である一般社団法人が実家の建物や庭を一般に貸し出すなどの運用も始めました。Aさんたちが亡くなった後は、この法人が維持・承継していく目的で管理していくことになりました。

配慮したポイント

姉妹が亡くなった後に、「誰に」「どのような形で」実家を委ね、後世に残して維持・管理していく仕組みを作り上げるかがポイントでした。

税理士とコンサルタントに入ってもらい、実家の維持・管理に必要となる資金を、実家や庭園を時間貸ししたり、イベントなどの会場として利用してもらうことで得られる収入で賄う前提で収支計画を立てました。そして、受託者を一般社団法人として、その意思決定に姉妹だけでなく税理士や将来の管理を委ねる者に入ってもらいました。姉妹の目が届くうちに実家を利用した具体的な運用体制を確立、姉妹の死後はスムーズの後世に引き継げるようにしました。

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