借地権の共有状態は避けるべき? 借地権を相続する際のポイント
借地権の相続は、不動産相続の中でも特有の課題を伴います。特に、借地権が共有状態になる場合は、トラブルの原因になりやすい点に注意が必要です。
本記事では、借地権を相続する際に気をつけるべきポイントや、共有状態を避ける理由、円滑な相続のための対策について解説します。
借地権を相続する際の具体的な手続き
借地権を相続する際には、以下の手順を踏むことが一般的です。
⑴ 相続人全員で遺産分割協議を行う
遺産分割協議書を作成し、共有状態を避けるための方針を決定します。
⑵ 借地権者への通知と承諾
借地権の相続について借地権者(貸主)に通知し、必要に応じて承諾料を支払います。
⑶ 借地契約の名義変更
契約内容に基づき、借地契約の名義を変更します。
⑷ 登記手続
借地権を登記している場合は、登記名義人を変更します。
借地権を共有にすることの問題点・リスク
借地権は、遺産分割協議によって、相続人のうちの特定の誰かが相続することが多いですが、複数の相続人の共有名義で相続するということも可能です。もっとも、共有にしてしまうと、さまざまなトラブルに発展する可能性があります。
共有にすると、共有物の処分や変更行為には共有者全員の同意が必要になります。また、地代や税金等は、共有者の持分割合に応じて共有者全員が負担するのが原則です。
このような共有という形態の性質から、共有物の取り扱いにおいては、共有者全員の意思決定が必要になりますし、共有者全員が公平に負担を負わなければなりません。しかし、実際には、共有者間で必ずしも適正な意思決定や公平な負担がなされるとは限りません。
よくあるトラブルとしては、
⑴ 地代や税金を支払わない相続人がいる
⑵ 共有している相続人のうち一人だけで借地・建物を独占利用している
⑶ 不動産の管理・処分等についての意見が割れて、売却等ができない
といったものがあります。
このような状況になると、共有者の間で、地代や税金の負担を請求したり、共有の借地を独占しようしていることについての賃料請求をしたり、最終的には、売却して共有関係の解消することを求める共有物分割請求がなされるなど、争いが大きくなっていきます。
まとめ
上記のようなリスクを考えると、借地権を共有名義で相続するのはあまりおすすめできません。
借地権の共有名義を解消・売却しようとしても、時間や手間もかかりますし、無理に当人同士で話し合って解決しようとすると、かえってトラブルを大きくしたりしかねません。
また、共有者間で話し合いができない場合は、最終的には訴訟手続を取らなければ共有関係の解消は困難です。借地権を共有名義にしていて、その状況を変えたいと考えている方は、どのような手段を取りうるか、取るべきかについて弁護士に相談してください。
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